技術研究[建築技術ソリューション] - SOLUTION
須山建設が行っている研究を紹介するページです。
「スヤマひび割れ抑制総合システム」の開発
ひび割れリスクを低減した配合・施工・設計の総合システムを開発し実用化に目処をつけました。
品確法が施工され、コンクリートのひび割れに対するクライアントの目がますます厳しくなっている昨今、ひび割れの少ないコンクリートをつくることはゼネコンの強みとなります。
弊社は、石灰石砕石を粗骨材に用いた低収縮コンクリートの開発を、名古屋工業大学大学院助教吉田亮氏の指導の下、浜松生コン株式会社(浜松市東区)と共同でコンクリート配合の研究を、施工部門を中心にコンクリートの打設方法と土間下地仕様の改善を、設計部門を中心に鉄筋配筋の改善を行い、設計施工物件の倉庫と工場の土間コンクリートを打設しました。
その結果、弊社が開発したコンクリート配合、及び仕様・施工方法に於いて、ひび割れの抑制に効果があることが実証されたので報告いたします。
今後の弊社の設計施工物件では、今回の研究開発の成果を『スヤマひび割れ抑制総合システム』と称し、各物件、各作業所で展開していく方針です。
研究概要
試験体製作状況
低収縮コンクリートの配合の研究は名古屋工業大学コンクリート研究室で行いました。配合決定後に試験体を作り、乾燥収縮ひずみを測定しました。
(図-1)
13週後の乾燥ひずみの測定値は石灰石コンクリート410マイクロ、天竜川骨材コンクリート621マイクロでした。石灰石を用いたコンクリートの方が、天竜川の骨材を使用したコンクリートよりも34%少ない結果となりました。
(図-1)粗骨材の乾燥収縮ひずみ測定結果
「スヤマひび割れ抑制総合システム」を設計施工の3物件の土間で施工(施工数量は2545m2)し、1年間経過後のひび割れ調査ではひび割れの抑制に効果があったことが実証されました。
「スヤマひび割れ抑制総合システム」の主なポイントは、土間下はセメントにて地盤改良を行い、簡易地耐力試験で当社の標準K値を確認後、コンクリートを打設し、振動タンパーを使用して、左官工と3名でコンクリートを踏みながらタンピングを行ったことであります。
簡易地耐力試験
タンピング施工状況